住宅購入を進めると、「事前審査」と「本審査」という言葉を耳にすることがあります。
「事前審査に通れば安心?」
「本審査では何を確認されるの?」
「何社くらい申し込んでも大丈夫?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。住宅ローンは人生の中でも大きな契約の一つです。事前審査と本審査の違いを理解し、正しく準備を進めることで、安心して住宅購入を進めることができます。
今回は、それぞれの違いや審査で確認されるポイント、注意点について詳しく解説します。
住宅ローンには2つの審査がある
住宅ローンには、
- 事前審査(仮審査)
- 本審査
の2段階があります。どちらも重要ですが、役割は異なります。
事前審査とは?
事前審査とは、「この方へ住宅ローンを融資できそうか」を金融機関が事前に確認する審査です。
一般的には、
- 年収
- 勤務先
- 勤続年数
- 借入状況
- 信用情報
などを確認します。結果は早ければ数日程度で分かることもあります。住宅購入では、購入申込み(買付証明)を提出する前または売買契約前に行うことが一般的です。
本審査とは?
本審査は、正式に住宅ローンを契約するための審査です。事前審査より詳しく、
- 売買契約書
- 重要事項説明書
- 本人確認書類
- 収入証明
- 物件資料
など多くの書類を提出します。また、購入する住宅についても審査が行われます。つまり、「人」と「物件」の両方が審査対象となります。
事前審査と本審査の違い
| 比較項目 | 事前審査 | 本審査 |
|---|---|---|
| 審査目的 | 借入可能性の確認 | 正式な融資判断 |
| 審査対象 | 主に申込者 | 申込者+物件 |
| 必要書類 | 比較的少ない | 多い |
| 審査期間 | 数日程度 | 約1~2週間が一般的 |
| 結果 | 仮承認 | 正式承認 |
※審査期間は金融機関や申込内容によって異なります。
事前審査に通っても本審査で承認されないことはある?
あります。事前審査は「融資できそう」という判断です。そのため、本審査で承認されないケースもあります。例えば、
- 転職した
- 自動車ローンを組んだ
- クレジットカードを多く利用した
- 支払い遅延があった
- 団信へ加入できなかった
- 提出書類に相違があった
などです。住宅購入が決まってから本審査が終わるまでは、できるだけ生活環境を大きく変えないことが大切です。
信用情報とは?
住宅ローンでは、信用情報も確認されます。信用情報とは、ローンやクレジットカードの利用状況・返済状況などが登録されている情報です。日本では主に、
- CIC
- JICC
- KSC
などの信用情報機関があります。金融機関は、これらの情報を確認し、返済状況や過去の延滞履歴などを総合的に判断しています。そのため、
- クレジットカードの支払い遅延
- 携帯電話端末の分割払いの滞納
なども審査へ影響する可能性があります。
事前審査は何社まで申し込める?
「複数の金融機関へ申し込んでも大丈夫ですか?」という質問もよくいただきます。一般的には、複数の金融機関へ申し込むこと自体は可能です。実際に、金利や条件を比較するために複数社へ申し込まれる方もいらっしゃいます。ただし、短期間に非常に多くの金融機関へ申し込むと、金融機関から「資金繰りに困っているのでは?」と判断される可能性もあります。そのため、比較する金融機関は2〜3社程度を目安にするとよいでしょう。
審査中に気を付けたいこと
住宅ローン審査中は、次のことに注意しましょう。
新たな借入をしない
- 自動車ローン
- カードローン
- 教育ローン
などは、審査へ影響する場合があります。
クレジットカードの支払いを遅らせない
支払い遅延は、信用情報へ登録される可能性があります。
転職は慎重に
転職自体が悪いわけではありません。しかし、金融機関によっては勤続年数を重視する場合があります。住宅購入予定がある場合は、タイミングも考えておくと安心です。
ESPLANETアドバイス
実際のご相談では、「事前審査が通ったので安心ですよね?」というご質問をいただくことがあります。もちろん事前審査は重要ですが、住宅ローンは本審査が終わるまで安心とは言えません。
また、借入可能額いっぱいまで住宅を購入することが正解とも限りません。私は、お客様へ
- 教育費
- 老後資金
- 車の買い替え
- 将来の働き方
まで一緒に考えながら、「借りられる金額」ではなく、「将来も安心して返済できる金額」をご提案することを大切にしています。住宅ローンは、家を買うための手段です。
ご家族が安心して暮らせる生活を守ることが、本当の目的だと考えています。
まとめ
住宅ローンには、
事前審査
- 借入可能性を確認する審査
本審査
- 正式な融資を判断する審査
という2つのステップがあります。また、本審査が終わるまでは、
- 新たな借入を控える
- 支払い遅延をしない
- 転職のタイミングを考える
なども重要です。
住宅ローンは「審査に通ること」がゴールではありません。ご家族が安心して暮らし続けられる資金計画を立てることが、本当の意味で成功する住宅購入につながります。
次回予告
次回は、「住宅ローン控除(住宅ローン減税)とは?制度の仕組みと利用する際のポイントをわかりやすく解説」をお届けします。